Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
「私、ここから北にあるリィズ村から来ました、ジルといいます。
友達が盗賊に襲われたんです。
それで、さっきの人が何か知ってるんじゃないかと…。
彼と会って話がしたいんです。教えてもらえませんか?」
「街の外で起こっている事件なら訊いたことがある…」
主人はさも面倒臭そうに口を開いた。
そして続ける。
「けど、あいつは関係ないと思うがね」
「どうしてそう言い切れるんですか?」
ジルが尋ねると、主人は先ほどより厳しい視線をジルに向けて言った。
「ワシにはあんたの方が怪しく見えるがね」
ジルはその言葉に口を噤まざるを得なかった。
「あいつはいい品物を持ってくる。それにワシは値段をつける。それが盗品かなんてワシには関係ねぇ。客がそれを気に入って買っていく。それがワシの商売だ。
あいつのプライベートは知らないし、興味もねぇ」
そう言って主人は浮かせた腰を下ろした。
相手にするのはもう面倒臭い。
そんな態度を示している。