キズだらけのぼくらは


私はまだこの現実が受け入れきらず、立ちくらみしそうになる。

必死に机に手をついて、私をはそれを堪えることしかできなかった。

「そうだ、オフ会会場はここで間違いない」

秀才くんが静かに答えると、彼女は「あっ」と小さく声を漏らした。

「みんな、クラスメイトですよね……? びっくりした」

彼女は蚊の鳴くような声なのに、口元を手で覆うものだから余計に声が聞き取りにくい。

相当おどおどしているみたい。

渋々腰をあげた秀才くんは、口を開いた。

「この話は、あまり聞かれるとまずい。入って戸を閉めた方がいい」

秀才くんがそう促すと、彼女はおぼつかない手でやっと戸を閉める。

すると、図書室には相応しい静寂が訪れた。

よくよく見れば、私の視線の先にある本棚は壮観で、色とりどりの背表紙が立ち並んでいる。

どこも隙間はなく、なんとなく埃っぽいにおいがするところからして、本当にさびれた図書室のようだ。

けれどそんな景色を見ている場合ではなく、私は我慢しきれずに話の口火を切った。


< 135 / 490 >

この作品をシェア

pagetop