キズだらけのぼくらは


ただでさえ、夏は好きではない。

暑いだけでエネルギーを削り取られる。

なのに、昨夜一睡もできなかったせいで、この太陽を見るだけでもすぐに立ちくらみしそうだった。

あんなメッセージを送りつけられて、眠れる人間なんてどこにいるだろう。

私はアキムとは誰なのか、夜中ずっと調べて、なんとか尻尾をつかんでやろうとした。

けど、面白いくらいなにもつかめなかったの。

メッセージから相手をたどり、相手のブログに行きついた。

なのにそこは、なにも書かれていないブログ。

私は血眼になって、プロフィール画面もすぐ開いてみた。

だけど結果は同じ。

ブログもプロフィールも、完全なる空白だった。

アキムに関する情報は……なにひとつとして得られなったんだ。

だから私は、恐怖と不安で眠れない夜を過ごした。


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