キズだらけのぼくらは


私にとってあの言葉たちは、脅迫以外の何物でもなかった。

脅迫だなんて大袈裟だと思う人もいるかもしれない。

でも、私にとってはそれくらい、重大な問題なんだ。

私はやっと自分のクラスの入口の前に立った。

この戸の向こうには、私の明確な立ち位置が存在している。

三軍以下っていう立ち位置がね……。

ゆっくりと深呼吸した私は、教室の中に足を踏み出した。

私が教室の中へ入っても、誰ひとりとして私には見向きもしない。

もちろん私も挨拶なんてしたくないから、黙ったまま窓際の一番うしろの席に向かう。

そして、膝下まである長いスカートを整えて、席に腰を下ろした。

そう、私みたいな人間は、とにかく地味な振る舞いを心がけていればいいの。

それこそが、三軍以下の人間の平和な生存方法。


< 16 / 490 >

この作品をシェア

pagetop