キズだらけのぼくらは


全てが歪んでいて気持ち悪くなる。

私もいつか、この見えない水に沈んでしまうのではないかって不安になるの。

この水が私の頭まで満ち、そしてもっと増した時、私は沈む。

人を騙すために重ねてきたウソで体は重くなって、私はきっとおぼれていく。

もがいてももがいても、もう二度と浮き上がることはできなくて、誰も手なんて差し伸べてはくれないの。

誰の名前も呼べなくて、泣きわめいても波音が消し去っていって、助けは来ない。

だって、私はひとりだから。

今こうやって、ひとりでいるようにね……。

しばらく暇を潰していた私だけれど、窓の外を確認すれば降りやむ気配はない。

私もそろそろ帰らなければならないだろう。

そう思って私は目の前にある自分の教室へ向かった。

静かに戸を開けて、足を踏み入れる。

そして数歩進んだところで、私は息をのんだ。

私のそばの席に、まだひとりだけ残っていたの。


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