キズだらけのぼくらは
そんな私に、秋穂は声を低くして警告する。
「三軍以下は身の程をわきまえて大人しくしてなさいよ。三軍は、万年三軍なんだから」
そう言い捨てると同時に勢いよく前髪を離される。
私はまた鈍い音をたてて、机の下に倒れた。
頭を床にぶつけたけれど、別に痛くもない。
机の下の暗がりで、秋穂の低く落とした声がいまだに響き渡っている気がするんだ。
“三軍”、と何度も何度も……。
周りからあがる笑い声は秋穂を援護して、私はただひとり。
私はみんなの足が踏んでいる床にのびきっていて、それだけでも十分無様。
上を見ればシールをはがしたような汚い痕がある机の裏しか見えなくて、光を見ることもできない。
私は下唇を痛いくらいに噛みしめながら、拳をかたく握って床を殴りつけた。
なんで、なんで……、私がこんな目にあわなきゃいけないの?
今も、親友に裏切られたあのときも。
「なにコイツ~。床殴るなんて、どうかしちゃったんじゃない? あっちはまだ泣いてるし、あの人は平然としてるし、ホント怖い」