キズだらけのぼくらは


周囲からは、いつのまにかくつくつと笑いが起こりはじめている。

それでも私は堪えた。

確かにどれも真実だよ……。

キモイのも、かわいくないのも、人を騙していたっていうのも……。

わかっていたからこそ、見つめているのが辛い。

私はそんな言葉が並ぶ机を見ていられなくて、抱えていた荷物を机に叩きつけた。

その音に、周りの者は驚いて笑うのをやめた。

けれども叩きつけた反動で、私の軽いペンケースは転がり落ちた。

机から床にすとんと難なく落下し、その勢いで転がっていく。

私はそれを追いかけもしないで、遠ざかっていくペンケースを見つめていた。

落ちるのなんて一瞬だ。

呆然と立ち尽くしながら思う。

小学生の時も、今も、転落の連続。

周りの人間に転がされて、どこまでも落ちていく。

這いあがることなんて、絶対にできないんだ。


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