キズだらけのぼくらは


なのに、新太はちっとも痛そうな顔はしないで、委員長に怪我をした右肩を印象付けさせる。

「俺は知っていたぞ。俺はあのサイトの初期からのユーザーだからな。そうしたらあるヤツを筆頭に、俺らのようなキズを抱える人間は虫けら扱いされた。大炎上した」

新太はそこまで言うと少し俯いて、声を怒りで震えさせながらこう続けた。

「そしてその犯人は、俺の右肩をぶっ壊した張本人が言った言葉とまったく同じものを、あのサイトに書きのこしていったんだ。その時俺の頭はイヤでも思いだしたよ、あの犯人の顔を。そう、緒方の顔をな」

“緒方の顔をな……”

頭に何度もその言葉が反響する。

私は膝が震えてよろめきそうになり、すぐ机につかまった。

まだ、新太の声の余韻が消えなくて、緒方という名前がしつこく耳に響いている。

何度も何度、緒方という名字と委員長という呼び名が頭の中でぐるぐると回る。

でも、その余韻はだんだんと弱まって、教室内が騒然としだした。

「ウソでしょ?」

「マジかよ……」

「シャレになんねえよ……」


< 357 / 490 >

この作品をシェア

pagetop