キズだらけのぼくらは
なのに、新太はちっとも痛そうな顔はしないで、委員長に怪我をした右肩を印象付けさせる。
「俺は知っていたぞ。俺はあのサイトの初期からのユーザーだからな。そうしたらあるヤツを筆頭に、俺らのようなキズを抱える人間は虫けら扱いされた。大炎上した」
新太はそこまで言うと少し俯いて、声を怒りで震えさせながらこう続けた。
「そしてその犯人は、俺の右肩をぶっ壊した張本人が言った言葉とまったく同じものを、あのサイトに書きのこしていったんだ。その時俺の頭はイヤでも思いだしたよ、あの犯人の顔を。そう、緒方の顔をな」
“緒方の顔をな……”
頭に何度もその言葉が反響する。
私は膝が震えてよろめきそうになり、すぐ机につかまった。
まだ、新太の声の余韻が消えなくて、緒方という名前がしつこく耳に響いている。
何度も何度、緒方という名字と委員長という呼び名が頭の中でぐるぐると回る。
でも、その余韻はだんだんと弱まって、教室内が騒然としだした。
「ウソでしょ?」
「マジかよ……」
「シャレになんねえよ……」