あなたと私のカネアイ
「結愛も飲む?」

 首を横に振ると、円は「そっか」と言ってペットボトルの蓋を開けた。ゴクリと動く喉に思わず視線が行く。少し汗ばんだ肌、髪は乾かしたみたいだけど毛先がまだ乾ききってない。
 今までもお風呂上りに一緒に過ごしたことはあったのに、浴衣の合わせから見える円の身体を意識して顔が熱くなった。

「ゆーい」

 ペットボトルをベッドの横に置いた円の冷たい手が私を抱き寄せる。それと同時に唇が重なって、円の肩に手をついた。

「浴衣って、そそる」

 唇を離してそんなことを言う円。
 ボン、と音が出るかと思うくらい顔に熱が集中する。

「な、何言って……!」

 すると、円は「ごめん、冗談」と言って私の頬にキスをする。いつの間にか肩に降りてきてる円の手は、私の熱が移って熱い。

「脱がせるよ」

 するりと合わせの間から手が差し込まれ、ブラの肩紐と一緒に布が落とされる。
 肩口に唇を押し付けられたと思ったら、ゆっくりと啄ばむように鎖骨、首筋に移動してくる円の唇。それが耳たぶに触れて……

「んっ」

 浴衣の中へと侵入して胸に触れた円の手は、ブラの上から胸の頂を擦るような動きで膨らみを包み込む。
 恥ずかしくてギュッと目を瞑って頷くと、体重を掛けられて背がベッドに沈んだ。
 目元に落ちてくる円の唇、額や頬、鼻にも……キスを落として円の熱が離れ、ゆっくりと目を開けると、円は熱っぽい瞳で私を見ていた。
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