生意気なKiss
「……いた」
ふ、と聞き慣れた声に振り向けば
息を切らした真木が立っていた。
「…探しましたよ」
…走ってきてくれたのか。
カシャン、とあたしの隣で、同じようにフェンスに寄り掛かる真木。
「…真木は」
あたしはずっと疑問に思ってたことを聞いてみた。
「…何であたしなんかと付き合ってんの?」
「…は?」
わけが分からない、とでも言うようにマヌケな声を出す真木。
「だってお前…モテるし…別にあたしなんかじゃなくてもいいだろ。
こんな男に間違われるような女…嫌だろ」
聞いときながら段々ヘコんでくる。
これでもし、そうですね、なんて言われたらどうすればいいんだ。