生意気なKiss




…夢。




「…あたしの夢は…


中学の頃の夢は、あのチームで、全国で優勝することだった」



「優勝…剣道ですか?」



「…そう。準決で負けたけど…」




…あの夏が蘇る。




「って。何の話してんだあたし!
いや、違う。今夢とか特になくて…

あれだ、模索中だ!」



ごまかすようにそう言って、慌ててナポリタンを口に運んだ。




「…何で剣道続けなかったんですか?」



心なしか、いつもより優しい声の真木。




「…怪我。十字靭帯切った」



「…そうだったんですか…」








そうだよ。






…本当にそれだけ?






< 158 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop