生意気なKiss





「迎えに来たぞ愛海」


「颯ちゃんっ!」




写真を撮り終えてからも手ブレしてるだのシャッターのタイミングが悪いだの痴話喧嘩を繰り広げている結花と工藤を生暖かい目で見守っていると、あのダブルデート(という名の交流会)ぶりの颯太が立っていた。




「颯太…お前一応他校だろうが。もうちょっと遠慮しろよ遠慮!!」



「おー爽月!別にいいだろ?っていうかお前カレシ出来たのに相変わらず男だな?」



「黙れ!!!」




ニコニコと笑い合っている愛海と颯太は、あたしの周りで一番のほのぼのカップル。




颯太と愛海も、工藤と結花とは違うが同じ大学に進学する。




高校が一緒じゃなかった分、大学では絶対に一緒がいいと、二人とも同じ大学へ行く為物凄く勉強を頑張っていた。




「おい颯太。

愛海のこと泣かしたら、ぶっ飛ばすから覚悟しとけよ?」



「それ確か中学の卒業式でも言われたな?」




フッと笑った颯太は、あの時と変わらない笑顔で、こう言った。





「余裕♪


愛海は一生、俺が守るよ。
今まで守ってくれてサンキューな、爽月」



「颯ちゃんっ…!」




感動して目をウルウルさせている愛海。


そんな愛海を優しく抱きしめる颯太。





あー…はいはい、続きは家でやってくれ…




と思いながらも、ついつい頬が緩んでしまう。




この二人はこれからもずっとこうやって、お互いを支えあって歩いていくんだろうな。





< 202 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop