恋のリハビリをあなたと
……もう、やだ。なんで、こんな事になったの?


大地さんとはあんな出会いだったけど、最近は普通に友達以上くらいの付き合いで、やっとこの関係に慣れてきたところなのに。


幸太と別れたのは、幸太の浮気が原因だったのに、あれで私がどれだけ傷ついたと思ってるのよ。


確かに、まだちゃんと好きになれてはいなくて、少し身体の関係を拒んだりすることもあった。けど、前に進みたいと思っていたし、幸太と向き合っていくつもりだった。


それなのに、こいつは裏切った。


折角、また、前に進もうとしたのに、何で現れるのよ。


私が何をしたっていうわけ?




泣きたい気持ちになって、俯いていると、身体が何かに包まれていた。


「言いたいことはそれだけですか?
彼女は、魅力的ですよ、俺には勿体ないくらい。
これ以上、彼女をいじめないでもらえますか?」


大地さんに抱きしめられていると気付いたのは、彼が話をしている途中だった。


私を抱きしめた状態で、大地さんの視線は、しっかりと幸太へ向かっていた。


優しく抱きしめてくれているのに、その瞳は鋭くて、言葉にも力が篭っていて、凄い威圧感を、幸太へ与えていた。






「そっ、そんな怖い顔するなよ。冗談も通じないのかよ。
め、めんどくせぇーな……」


彼の迫力に押され、そう言い残すと、私たちに背を向けて、足早に去っていった。


そういえば、幸太は、浮気とかするくせに、本当は肝が小さい男だったな、なんて、呑気に考えられたのも、大地さんがいてくれることの安心感によるのかな。
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