悪魔と天使

村は静寂

「兄貴~~肉食おうぜ~腹減った~」


「おい、悪魔。ほんとに食事はあれだけなのか?!いくらなんでも少なすぎだ!!」


「お前ら……野菜で十分だろうが……俺はベジタリアンなの!!」


文句を垂れる二人。マルコはため息を吐く。


ちなみにいうなら食事はキノコと木の実を少々だけである。


「肉喰いたい…」


「食うなら獲れ。だが、猪は駄目だ。鹿も駄目だ」


「何故だ?!」


「どっちも二人じゃ食べきらないだろう?残したら殺した奴にわりぃだろうが」


「パンもない……スープもない……こんな生活いつまで続ける気だ」


マルコは呆れる。


「まだ二日じゃねぇか。村か町に行かないとそんなもんはない。スープは作ってやるからそれで我慢しろ。お前らが飲んでたとは違って、かなり質素だがな」


二人はそれからは静かに歩いていた。


しばらく歩くと森を抜け、村が目の前に現れた。


マルコは村の近くに立ててある看板を見る。


「ルー・ガルー……この村の名前か…さて、泊まる場所を捜さないとな」


振り返ると既に二人は村の中に入っていた。


マルコは頭をぼりぼりと掻く。


「……よほど、俺の料理は食えんと見える……作ろうとすればうまいんだぜ?………めんどくさいがよ」


トボトボと村の中に入っていくマルコであった。
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