悪魔と天使
マルコが前を見るとマリクが泣きながらこっちに来ていた。


「兄貴〜この村怖い」


「その前に、お前の顔が凄い」


布切れを渡し、ガブリィを見る。


「嫌な雰囲気なのは確かだな」


かなり、揉めているのは確かだった。


「私は天使だぞ!?」


「そんな交渉は無理だって………地上で寝たことないのか?」


『悪魔!!ベットは無いのか!』


『………ハンモックがあんだろうが』


『…………あんな揺れる物で寝れるか!』


そんな騒動が一昨日あったことを思い出したマルコ。


「…………無かったな」


未だに凄い剣幕のガブリィを制す。


「ぼろい空き家とかないですかね?」


「そんな場所に寝れるか!」


「うるせ。……どこでもいいですから雨風防げるだけでいいですから」


村人は無言である方向を指差す。


「あっちですか。ありがとうごさいます」


マルコはお辞儀をし、ガブリィの襟首を掴んで引きずっていった。


マリクも後をついていった。
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