【完】愛し君へ、愛の口づけを
「・・・お兄ちゃん」
・・・私は結局、お兄ちゃんの腕から逃げる事はできなかった。
ここでも、逃げようと思えば逃げられた。
でも私はここにいる。
椅子に縛られ、目の前にははさみを持ったお兄ちゃんが立っている。
「莉央」
お兄ちゃんは私の名前を何度も呼んでくれた。
愛してるって何回も言ってくれた。
嬉しくて、涙を抑えるのに必死。
・・・私はやっぱり、
お兄ちゃんを諦めるなんて絶対に無理。
こんなにも好きになったんだもん。
身を引くなんてできないよ。
だけど、
もうお兄ちゃんの辛い姿を見たくない。