【完】愛し君へ、愛の口づけを
莉央の怯えた姿を見たいが為に
俺ははさみで莉央の体を少しずつ傷つけていった。
「・・・っ」
「痛い?」
「・・・」
莉央はそれでも俺と喋ろうとはしなかった。
莉央のちゃんとした声を聞いたのはいつだろう。
笑顔を見たのはいつだろう。
俺は
・・・こうなる事を望んでいたのか?
傷つけることでしか愛情を伝えることしかできない今の自分。
本当にこれが俺の答えなのだろうか。
確かに莉央を欲していた。
でも、こんなはずじゃない。
「・・・莉央。俺の目見てくれ」
当たり前だけど
俺の目を見てくれる事もなくなった。
見てくれと言って誰がこんな最低な男の目を見るだろう。
「なぁ、莉央」
名前を呼んでも応答してくれなくなったのも
もうずっと昔からのように感じる。