カローナ姫の黒猫


その頃、カローナはというと…。


「…リリスのバカ。私はあんなおじさんと結婚なんかしたくないんだから…。まだ、初恋だってしたことないのに、それに、死んだ母様が言ってたわ。結婚は好きな人とするものだ…って」


瞳に涙を浮かべ、ベッドにうつ伏せになると、そう呟いてため息をこぼしていた。


カローナ自身、シルヴィと結婚することがサァーフィア国のために必要だということは嫌というほど理解していた。


サーフィア国の第一王女としての責務を全うするためには必要な結婚だということも。


しかし、まだ16歳のカローナにとっては受け入れ難い出来事で…。


「…好きでもない…自分のお父様と変わらない年齢の人と結婚だなんて…私、もうどうしたらいいの」


そこまで呟くと、カローナは唇を噛み締めて、声を殺しながら泣いた。


…母様、私はどうすればいいのですか?

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