カローナ姫の黒猫


その光景にカローナは、大きく目を見開いた。

「ほ、本当に猫なんだね…」


「まぁな。煩わしいったらありゃしねぇ。人間に戻れるのは日が沈んでから12時の間のたった数時間なんだよ」


ルイは、ハァ…と軽いため息をつき、猫の姿でぐーんと、伸びをする。



不謹慎にも可愛いと思ったしまったカローナだったが。


「…元に戻る方法きっとあるはずだよ。ルイに助けてもらったし、今度は私が助ける番。私も手伝うから一緒に探そう?」


ルイの頭を優しく撫で、そう励ました。


「……」


ルイはその言葉に何も言わず、気持ちよさそうにカローナの手にすり寄る。


ルイを助けてあげたい。


そんな気持ちでいっぱいなカローナ。


この時の彼女は、まだルイが隠している本当の意図には全然気づいていなかったのだ――。

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