Secret Fetishism【SS集】
崩れた胸元から見える、形のいい鎖骨や胸板とか。
乱雑な座り方のせいで開(ハダ)けた裾から覗く、ガッシリとした太ももとか。


そのもっと奥、とか――。


欲望塗れの自分に、ため息をつく。
これだから、真夏の夜はとても憂鬱だ――。


「あたしにもちょうだい」

「お前にはまだ早いわ」


子供扱いをする彼の手から取った缶に口を付けたけど、苦過ぎるその味に眉を潜めた。


「ほらみぃ、まだまだ子供やな」

「もう大人やもん!ハタチになったの、知ってるやろ!」

「ムキになる所が子供や」


いつまでも子供扱いしないで欲しい。


あたしだって――。



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