Secret Fetishism【SS集】
「何しとんねん?」


浴衣の胸元と裾から手を差し込むと、今度は彼が眉を潜めた。

嫌われるのは恐いけど、いつまでも子供扱いされたままで他の誰かに奪われる方がもっと恐い。


「あたし、もう子供ちゃうもん……」


彼の浴衣姿に欲情するようになってしまったあたしは、もう子供なんかじゃない――。


「アホ」


あたしの両手を取った彼のせいで、縁側に置いた缶が倒れた。
ビールが飛び散った瞬間、唇を塞がれた事に気付いて目を見開く。


「好きな奴にこんな事されて、俺が“お兄ちゃん”でいられると思っとんのか?男の性(サガ)がわからんお前は、やっぱり子供や」


呆れ混じりの台詞の中には、さりげない愛の言葉。
照れ屋な彼らしい言い方に微笑んで、後で10年以上分の想いを伝えようと思った――。





             END.


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