sweet milk【完】
「…あーもー、なんか私バカじゃんね!」
ぷるぷると首を振り笑いながら、
涙目のままつぶやいた。
「彼氏とエッチしてから私、
なんか弱くなっちゃった気がする。
昔のほーが、強かった」
「・・・・・・そう」
そう。そうか。そういう感じなんだ。
あの時の私にはまだ、
彼女のさびしさの表面だけにしか
触れる事ができなかったけれど。
本当に、大好きな人ができた今ならわかる。
その心細さ、いつもいつもくり返し、
乞うようにわきあがる思い。
一つに、なりたい。
体も心も。
抱きしめて、包み込んでほしい。
そうして、私の中に空いている穴を、
一つ残らずすべてふさいで。
欠けた部分を一緒に探して。
そうでなくてはさびしくて、
きっと私は壊れてしまう。
そうなる前にどうかお願い。
私を救って。
守り続けて。
・・・・・・・・・・・・そんなふうに。
追いつめるように愛したくはないのに。
愛したいのに。
秋雄を、きちんと一人の私で。
私だけの強さで。
ずるさも何も混ざっていない、
私だけの強さを持って。