sweet milk【完】

私は。

秋雄にすべてをうちあけて、

どうするつもりなんだろう。

悲しく、苦しい思いをしたの。

そう、自分勝手にうちあけて泣いて?

同情されたいの?慰められたいの?

そうして、肯定されたいの?

「芽衣は、おまえは悪くない」・・・とかって。

とかって、秋雄は言うかもしれない。

たぶん、きっと、言ってくれる。だけど。

そう言った瞬間、秋雄はとてつもなく重い

暗い何かを私の手から受け取る事になる。

「ア、ヌレテキタ。」

あの言葉を反芻するたびに広がる、

私の心の暗闇の一部を。

私はそれを秋雄に手渡して、

ただホッとしたいだけなのかも知れない。

私は・・・・・・・・・ずるい。



「一人だと、半分みたいでさびしい」

彼氏と遠距離恋愛になってしまった

バイト先の友達がいつか言っていた。

「昔は全然一人でも平気だった。

友達と遊んだり、本読んだりCD聴いたり

したい事たくさんあったし。

でも今は、何しててもさびしい。

楽しいんだけど、毎日。

なんかどっかに穴あいてんの。

心細くてヘンなんだ。」

彼女は淡々と話していたけれど、

声は少し震えていた。
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