sweet milk【完】
deeply

秋雄が私の中に入ってきたのは、

それから数時間後の事だった。

もう夜は明けかけていて、

部屋中が薄い青色に染まる時間。

私達は、髪の毛がすっかりしめるほどの汗をかきながら、

長い時間抱き合っていた。

微かに目を開くと、

壁も天井も秋雄の肩も私の腕も何もかもが青く、

ゆらゆらと揺らいで見えた。

水の中にいるみたいに。

この部屋は水槽で、私達は愛し合う魚で、

まるで酸素が足りないみたいに

ぱくぱく口を動かしながら、

夢中になってキスをしている。

一枚一枚お互いのうろこをやさしくなで合って、

なめまわす舌で水中に、ぐるぐると円を描き続ける。

すっかりとけてとろとろになってしまった

私の中に差し入れた秋雄の指のすきまからは、

小さな水音が何度も跳ねる。

たまらない気持ちになって身をよじる私の体を、

秋雄はそっと引き寄せて、

ゆっくりと広げていった。
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