ハートフル・アーツ

｢さて、夕日も沈みかけた。

帰りがてら、ヒントを教えてやろうかの。｣

老師が手のひらのシャボン玉を空中に投げ出すと簡単に割れた


｢気を…消した？｣

幸大が呟いた

｢ほぉ…

見えたかのぉ？

それとも感じたのかのぉ？｣


老師がおどけたように言う


｢感じた…のかな？

なんて言うか…シャボン玉の雰囲気みたいのが軽くなった気がして…｣


幸大が言う

｢幸大、お主は以前に流れを読む修行を武神流の開祖から受けていてワシにヒントを求めたことがあったのぉ。｣

老師が言う

｢ああ。｣

｢武神流の修行が一区切りついたと言うことは…周囲や空間の流れを読む修行もやったのではないか？｣

老師が言う

｢まぁ。

変な空間でお掃除ロボットを捕まえるって修行を。｣

｢ふむ。


そう言えば、あのボクシング少年も武術をやっとったそうじゃな？｣

老師が言う

｢ドラゴン・アーツって言うのを。｣

幸大が言う


｢龍の幻影、か。


お主も武神流の技で幻影が出るそうじゃな？｣

｢まぁ、でも最近は幻影は抑え目で。｣


幸大が言う

｢ほぉ。

ならばそなたも気が使えるどころかコントロールしておる。｣

老師が言う