ハートフル・アーツ
「そなたらが使う幻影は気迫に近いがそれも『気』の一つじゃ。


ボクシング少年の龍の幻影を流せると言うことはそなたは『気』を流せると言うことじゃ。


そして幻影を抑え目にできるということは『気』を自分の意志でコントロールしておると言うことじゃ。」

老師が言う

「そう言われてもな…」

幸大が言う

「一つ言おう。


そなたが抑え目にしている幻影は一般人にも見えているのじゃろ?」

「ああ。」

「じゃが、ワシや武神流の開祖が使う技は幻影は出ぬが…『気』を使う者には見える。」

「え?」

「つまり、一般人には見えぬが一定の技術や力を持つ者にはしっかりと見える。


お主がいかに幻影を抑え目にしようともワシや武神流の開祖にはくっきりと見ることができる。


もちろん、見ないこともできるがの。」

老師が言う


「あれ?

でも…俺は幸明と闘った時に幸明の技の幻影を見てるけど…」

幸大が言う

「それは、お主は気がわずかにでも見えると言うことではないか?


まぁ、開祖もそなたに幻影を見せようとしてたとは思うが…おそらく他の者には見えず、わずかにでも見える者にならばしっかりと見えるようにしておった。

そのくらいのことは武神流の開祖ならば軽くやってのけるじゃろ。」


「じゃあ、あの時、なずなやすみれは見えてなかったのか?」

幸大が呟いた
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