ハートフル・アーツ
「朝倉…

ううん、士郎。

あんた…弱いわよ。」

「…ふざけるな。

お前に弱いと言われる筋合いはない!」

フェンリルが怒鳴る


「そうやって、怒るのが弱い証拠じゃない。」

「俺の何が弱いと言うんだ!!」



「自分の弱さすら受け止められないくせにどこが強いのよ!!」

「…黙れ。

そんな精神論なんか力の前じゃ無力だ!!」


「…。


士郎、あんた…いじめられっ子の時よりカッコ悪い。」


明日香が呟くように言う


「黙れ!!」

「止めな!!」


朱里が一喝する


「…。

どっちみち、永塚によってお前らは殺される。」

フェンリルはそう言って立ち去った





「あいつと知り合いだったのか?」

幸大が言う

「まぁね。

あいつとは幼馴染みでさ。

小学校の時にあいつはいじめられっ子で私がよく助けてた。



でも…小学校のある時にあいつを人質に取られていじめっ子が私に仕返しをしてさ。


子供って言うのはけっこう酷くてさ…

裸にされて犬の真似させられたり、裸でチョーク投げの的にされたりしてさ。


髪の毛もハサミとかカッターで無理やり斬られてさ…坊主頭に近いくらい短くされて、大泣きしたんだ。


そしたらあいつがついにぶちギレて…カッターでクラス全員を切ったんだ。


いじめられたくないからってクラス全員が私のイジメに加担したから…あいつは…



半分以上はしばらく入院もしたけど、イジメの事実もあって…まぁ、収まったけど…


あいつはそれから狂ったように力だとか強さにこだわって…



だから…私にも少しは責任があるのかなぁ、と。」

明日香が言う
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