ハートフル・アーツ

｢別に明日香が背負うことじゃない。

ただ、あいつがまた無力な自分に負けそうになったら力を貸してあげな。

昔と違って今ならそれくらいできるだろう？｣

朱里が言う


｢はい、リーダー！｣

明日香がキリッとした顔で言う

｢じゃ、私はクリスを家に送るから。｣

朱里が言う

｢幸大はどうするの？｣

明日香が言う

｢俺はこの美少女と話でもしようかと。｣

幸大が言う


｢むー!!

だったら私もその話に参加する！｣


ジニーが言う

｢じゃ、私は帰るから。

さすがに今日はもう家に閉じ籠ってた方が良さそうだから。｣


明日香がそう言うと立ち去った


｢朱里…送ってくれるのはありがたいが、僕は身体中が痛いんだ。

バイクの振動は仕方がないとして…できるだけ安全運転で頼む。｣


｢まったく…ほら、ここに座りな。｣

｢ここは燃料タンクの部分だろう？｣

クリスがそう言いながら乗る


｢これなら、振り落とされることはないだろ？｣

朱里が座席に跨がりクリスの後ろから手を伸ばしてハンドルを握る


｢なかなか恥ずかしいんだが？｣

クリスが言う

｢頭は下げてな。

前が見えなくなるから。｣

｢…。

胸が背中に当たってるぞ？｣

クリスが言う

｢役得で良かったな。｣


そう言うと朱里はバイクを走らせた