ハートフル・アーツ
「で…現在に至るわけだが…」


幸大がジニーの髪を洗いながら言う


「ん?

何の話?」

ジニーが言う

「いや、ジニーの髪はふわふわしてるな、と。」

幸大が言う

「癖っ毛だから朝は大変だよ?

寝相も悪いから髪がボワッとなってるし。」

ジニーが言う

「女の子は大変だな。

俺は多少の寝癖でも気にせずに学校に行くのに。」



「あんたはだらしないのよ…」

シェリーが言う

「ジニー、流すぞ?」

「うん。」


幸大がジニーの髪を洗い流す


「それにしても、慣れって恐ろしいな…

なずなたちと仙湯に入ることが多かったから女性と風呂に入るだけじゃ動揺はしなくなったし。」

幸大が言う

「じゃ、タオルを取る?」

ジニーが言う

「それは許さん。


さ、次はシェリーの番だぞ?」

幸大が言う


「わ、私はいいわよ、別に。

自分で洗えるし…」

「でも髪を洗わないで今まで待ってたよね?」

ジニーが言う

「たまたまよ…」

「俺はどうしてもシェリーの髪を洗いたいんだ。


是非とも洗わせてくれないか?」

幸大が両手を合わせて拝む


「…。

そこまでどうしてもと頼み込むなら私は心が広いから洗わせてあげるわ!!

しっかりとリンスもしなさい!」

シェリーが意気揚々と幸大の前に座った


「リンスインシャンプーだけどね。」

ジニーが言う
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