ハートフル・アーツ
「これは…」

幸大がゴミ箱から拾い上げたのは紙のように薄く潰され、穴の空いた空き缶だった




「これを君にやってもらう。

空き缶はゴミ箱を漁っても自分で飲み干してもかまわない。


ペットボトルでも可。

瓶は危ないからダメだ。」


「えーと…」


「君には今から

王剣、王槍、王薙の順番に素早く一つの的に打ってもらう。



狙いを定めることはもちろん、


空き缶が地面に落ちるまでに3発打つには素早さがいる。

そして3発打つには体力もいる。



君が自分で空き缶を僕と同じ状態にできるまでこのメニューだ。


毎日。

いいね?」



「わかりました。」


「王剣は相手を上下左右はもちろん、空中でも動かさずにその場で仕留める技。

王槍は貫く部分以外は吹き飛ばさない技。

王薙は留まらせずに吹き飛ばす技。



君は一つ一つは十分にできている。

だからこそ…連続技に行ける。


そこは君を評価している。

それだけはわかってくれ。」



「ああ…。」


「じゃあ、レッツトライだ。

最初の空き缶は僕からのプレゼントだ。」

幸明が空き缶を渡す


「てめぇ、また俺の金でジュースを買いやがったな!?」


「男がジュースの一本や二本で文句を言うもんじゃないよ?」


幸明が笑いながら言う
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