ハートフル・アーツ
夕方

公園


「じゃ…さっそく修行を始めようか?」

幸明が言う

「ここで?」

幸大が言う


「わざわざ武神流の道場に行っても時間の無駄だからね。

君の今のレベルならここで十分。」


「りょーかい。

で…何をしたら良いんだ?」

幸大が言う


「奥義は一通り使えるんだよね?」

幸明が自販機で缶ジュースを買いながら言う


「あの…それ俺の財布…」

「授業料だよ。

君は王剣の正面撃ちができるかい?」


「まぁ…一応。」

「やってみて。」


「ああ。」

フッ…

幸大が構える

「王剣!!」


正面を縦に切り裂く剣の幻影が浮かぶ



「ふぅっ…」

幸大はその一発で額に汗を浮かべた


「次は王槍(おうそう)。」

「ああ…」


フッ…

「王槍!!」


ヒュンッ!

素早い左手の正拳は槍の突く幻影を映す


「はぁ…はぁ…」


「次は王薙(おうなぎ)。」


フッ…


「王薙!!」


ブンッ!


幸大の左足の蹴りは薙刀が横に薙払う姿を見せる


「これで良いか?」

幸大が言う


「うん。


君の攻撃は言うまでもなく隙が多い。

溜めてから打つからね。

それから体力とかも連発するとキツいよね?」


缶ジュースを飲み干して幸明が言う


「ああ…。」


「今からこの先しばらくこのメニューだけをやってもらうよ。

まずはこれをマスターしてもらう。」


幸明が空中に空き缶を投げた


ヒュンッ!

幸大の目に映ったのは高速で剣が缶を一刀両断し、両断された2つを貫くように槍が穴を空け、薙刀が払い飛ばし、空き缶がゴミ箱に入った一連の流れだった
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