ハートフル・アーツ
「それにしても…明日から学校かぁ…」

ジニーが言う

「俺も憂鬱でしょうがな…ん!?」

幸大は天井を見上げた


「どうかしたのか?」

なずなが言う


「いや…今、このファミレスの屋根の上を誰かが通った気がしてな。」

幸大が言う

「猫とかカラスじゃないの?」

シェリーが言う


「かもな…。

(そんな小型でもなければ一人や二人じゃなかった気がするけどな。)」














公園


「幸大、見て!

オモチャ見つけたよ!!」


ジニーが手に持っていたのは手裏剣だ


「子供の忘れ物かしらね。」

シェリーが言う


「だろうな。

忍者など今時いないだろうし、居たとして手裏剣を落とすなら忍者に向いてない。」


なずなが言う



「えいっ!!」

ジニーは手裏剣を左の手のひらに乗せて右手でスライドさせて飛ばそうとする



カランッ…

まったく飛ばず落下し金属音を響かせた




「わかってないなぁ。


手裏剣ってのは実はこう投げるんだ。」

幸大がジニーの落とした手裏剣を拾う

ヒュッ…カッ!!


公園の樹に手裏剣が突き刺さった


「な!?

まさか…本物?」

幸大が言う




「そんなわけないだろう?

忍者なんて江戸時代に全員リストラだ。」



なずなが言う




「…。


服部…あかね。」

幸大が呟く


「ん?

何か言った?」

ジニーが言う


「いや…宿題終わってないなぁ、とな。」

幸大が言う

「あんたねぇ…明日は学校だってのに…」

シェリーが溜め息を吐いた
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