ハートフル・アーツ
「小さいから変装はしやすくていいと思ってたけど…

いいだけじゃなくて、好きになれそう。」


あかねが言う

「大きくて柔らかいのが好きなんだよね?

な、何なら…す、好きなだけ触っても良いんだよ?」


ツバメが幸大に向かって突き出す

「幸大は手が怪我してるから触れないよーだ!


それより…幸大にはバスケットボールの良さを分からせないと、ね?」


むぎゅっ!

ジニーが膝でベッドの上に立って幸大の頭を抱き締める

「ほーら!

ビー玉じゃこんなに包容力はないよ?」

ジニーのバスケットボールが幸大の顔を優しく包んだ


「あんた、左手は大した怪我じゃ無いわよね?」

むにゅん。

「手に少し収まりきらないのも悪くないでしょ?

柔らかいのに張りがあるのがソフトボールよ?」


幸大の左手をシェリーは自分のソフトボールに触らせた


「もがっ!むぐっ…」


幸大はバスケットボールに包まれながら何かを言う


「んっ…幸大、くすぐったいよ…」

ジニーが艶のある声を出した



「むがっ!?」

幸大がジニーの声に動揺する


「ひゃんっ!

ちょっと、幸大!

そんなに強く掴まないでよ…その…もっと優しくして。」


「もがぁっ!?」

動くと激痛が走る幸大はほぼ無抵抗だった



「包容力なら私の方があるもん!」

ツバメがジニーを引き剥がして幸大の頭を代わりに抱き締める


「幸大!

私のは起伏は小さいが、意外と柔らかさがあるんだ!」

シェリーから幸大の手を奪い取り、なずなは自分の胸に幸大の手を当てた


「僕はスタイルがあまり良くないから…くノ一としての色仕掛けとかは一切やってなかったけど…

小鷹のために努力しようかな…

そのためには小鷹にも練習に付き合ってもらわないと…」



あかねがビーチボールに埋もれかけてる耳元で囁いた




「それ以上やってると、こいつ、死んじゃうわよ?」


「「あ…」」

皆にさんざん無理矢理動かされた幸大は痛みに悶えながらも嬉しそうだった



「それより、せっかくだからヒバリさんからのお見舞いの品をいただきましょう?」

すみれが言う

「まったく…ずっと握ってたいとか…へ、変態じゃない…」


すみれが小さく呟いた





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