ハートフル・アーツ
幸大の自宅


「というわけで…しばらくの間、居候みたいな形で暮らしたいんだけど…」

幸大が言う


「うちはぜんぜん構わないわよ?」

母親が言う

「お父さんも娘が欲しかったんだ、いっそのこと養子にしたいくらいだよ。」

父親が言う


「可愛いげのない息子よりもこんなに可愛い娘の方が愛情を注ぎがいがあるわ。」

母親が言う

「息子を前にして言う言葉じゃないだろ…」

幸大が言う








幸大の部屋

「あずさの部屋は隣の部屋が空いてるからそこを使ってほしいんだけど…」

幸大の部屋に隣の部屋から布団を運んで来たあずさに言う



「何言ってるんですか!

私は師匠の内弟子です!

寝食を共にしてこそじゃないですか!」


あずさが言う

「わざわざ寝室を共有するのはどうかと…」

幸大が言う

「…。

その、一人じゃ…」

「怖いとか寝られないとか?」

幸大が言う

「…。

悪いですか?」

枕を抱き抱え上目遣いで見つめるあずさ


「うっ…」

幸大があずさの仕草にときめく



「…まぁ、本人がそうしたいなら、別に良いよな?」


幸大が呟く



< 423 / 510 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop