ハートフル・アーツ
夜
武神流総本山
「師匠。」
「おや、こんな夜更けにここに居るとは、なずな君に夜這いをかけにでも来たのかな?」
幸明が言う
「いや、今日は今日は少しだけ真面目な話だ。」
「…何だい?」
「去年の夏頃から記憶を探ろうとするけど…思い出せない…というよりもまるで、何もなく平凡だった…という事しか思い出せない。
具体的に何があったか、思い出せないんだ。
思い出そうとすると、何もなく平凡だったって…そういう感覚しかない。」
幸大が言う
「そうか。
平凡な日常で良かったじゃないか?」
「俺だって…思い出せないこととかはあるさ。
でも、師匠なら何があったか知ってるんじゃないか?」
幸大が言う
「…。
君は数十回、とある相手に僕と挑んで二人して負けているんだ。
だから…君はその相手に記憶を消されている。
去年の夏、初めて戦った時から一番最後に戦った今年の4月中旬までの大半の記憶を消され、平凡な日常だったとだけ記憶を改竄されている。」
「な!?
マジか?
マンガとか映画の話じゃなくて?」
「身を以て体感してるのにかい?」
幸明が言う
「なんでだ?
そんな記憶を弄れる相手と戦うのはもちろん、そもそも、幸明と一緒に戦って負ける相手って…」
「そうだね…
今までは昔話なんかせずに現状の問題とその解決法だけ話して君に協力してもらってたんだけど…
少しだけ、昔話をしよう。」
幸明が満月を見つめた
武神流総本山
「師匠。」
「おや、こんな夜更けにここに居るとは、なずな君に夜這いをかけにでも来たのかな?」
幸明が言う
「いや、今日は今日は少しだけ真面目な話だ。」
「…何だい?」
「去年の夏頃から記憶を探ろうとするけど…思い出せない…というよりもまるで、何もなく平凡だった…という事しか思い出せない。
具体的に何があったか、思い出せないんだ。
思い出そうとすると、何もなく平凡だったって…そういう感覚しかない。」
幸大が言う
「そうか。
平凡な日常で良かったじゃないか?」
「俺だって…思い出せないこととかはあるさ。
でも、師匠なら何があったか知ってるんじゃないか?」
幸大が言う
「…。
君は数十回、とある相手に僕と挑んで二人して負けているんだ。
だから…君はその相手に記憶を消されている。
去年の夏、初めて戦った時から一番最後に戦った今年の4月中旬までの大半の記憶を消され、平凡な日常だったとだけ記憶を改竄されている。」
「な!?
マジか?
マンガとか映画の話じゃなくて?」
「身を以て体感してるのにかい?」
幸明が言う
「なんでだ?
そんな記憶を弄れる相手と戦うのはもちろん、そもそも、幸明と一緒に戦って負ける相手って…」
「そうだね…
今までは昔話なんかせずに現状の問題とその解決法だけ話して君に協力してもらってたんだけど…
少しだけ、昔話をしよう。」
幸明が満月を見つめた