ハートフル・アーツ

購買


｢すげぇ人だな。｣


幸大が人混みを見つめる

(人の動きは確かに違う。

だが、ここにいる全員は購買の店員がいる一ヶ所に流れる。

それだけは変わらない。

あとは買った奴はスライドするかのように横に抜ける。


その絶対の流れの中で最短の距離は直線ではない。


人の流れを読んで…)

幸大はゆっくりと人混みに侵入した



｢ん…

幸大？｣


なずなは自販機の前に立ちながら幸大を見つめた









中庭


｢ヴァージニア、ほら。｣

幸大がパンを渡す


｢ワオッ!!

Thank You！

クリスも頼めば良かったのに。｣

｢僕はこんなことで借りなんか作りたくないんだ。｣

クリストファーが言う


｢幸大にお礼をしなきゃね。｣

ヴァージニアが言う


｢お礼なんかいいって別に。｣


幸大が言う


｢それはダメだよ。

だからお礼に…ちゅっ。｣


ヴァージニアが幸大の唇にキスをした


｢なっ!?｣

幸大が動揺する


｢えへへ。

キス、しちゃったね？｣


｢いきなり何をすんだよ!!｣

｢だからキスを…｣


｢幸大!!｣


なずなの声が動揺する幸大に一喝！



｢な、なずな…何でここに…｣


｢たまたま見かけたから…そろそろと許そうかと思ってきたら…幸大、お前と言う奴は…｣