ハートフル・アーツ
「力の無い奴にあるのは負けのみだと知れ!!」

「武神流我術…流流し

武神流奥義…王独楽(おうごま)」

今まで最も速く、勢いのある一撃が幸大の顔面に当たった瞬間だった…


幸大は水車の様に腰に軸を持ったかのように回転した


胴体に真横から棒軸を刺したかのようで、顔面に与えられた衝撃と同じ速度で回転したことで相手の顎を蹴りあげた


「がっ!?」


不意に顎を蹴りあげられた男性はつまりは自分の全力で放った一撃を顎に喰らったのだ


その威力は男性を宙へと吹き飛ばした



「ぬぉっ!?」

幸大はそのまま背中から地面に落ちる


「いってぇ…」

幸大は背中と顔面を押さえながら立ち上がると数歩前に出て構えた


「武神流奥義…三段撃ち…」


「くそっ!!」

男性は落下するが顎の衝撃で脳震盪を起こし上手く動けない


「剣!」

男性の体に直線のようにダメージが与えられた

「槍!」


男性の腹部を貫くようなダメージに男性は腰を曲げた


「薙!」


ドゴォンッ!!


男性は吹き飛ばされ近くの雑居ビルに少しめり込む


「ガハッ…くっ…あ…」

男性は苦痛に耐えきれずに意識を失った




「はぁ…はぁ…

し、死ぬかと思った…」


幸大が座り込む


「幸大、大丈夫か!?」

なずなが駆け寄る


「なんとか。」


「あんたねぇ…バカじゃないの?


殺されたらどうするのよ!!」


すみれが言う
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