fairy tail

弟のような存在

「シャーゼ、お待たせ!遅くなってごめんね!!」私はシャーゼの家の中に入ると急いで花瓶に花を生け、昼食の準備にあたった。鼻歌交じりで野菜やお肉をフライパンで炒めていると、ベッドから上半身を起こしたシャーゼが訝しげに聞いてきた。

「アリア、何か嬉しいことでもあったの?」
「え?なんで?」思わず、動揺し、驚いた顔で彼を振り返った。

「上機嫌だから・・・」

やばい、やばい。私は気を取り直して調理に集中した。
湖のほとりで素敵な青年と巡り合ったなんて口が裂けてもシャーゼの前では
言えなかった。

でも、彼、ゼフェルは西洋甲冑を身に纏っていたけど兵士なのかな…?
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