Sweet Heart
 


あぁ!せっかく鳥羽さんに用意してもらった机なのにー!


ごめんね、鳥羽さん…。



「待ってろ、真智!今すぐこんなどこの馬の骨かわからん男から解放してやるからな!」


「あんたに言われたかねぇよ。」



きぃ兄ちゃんは机が壊れて嘆いている私の両肩を掴み、顔を近づけた。


その瞳は闘志に満ち溢れ、激しく燃える炎さえ見える。



そんな熱いきぃ兄ちゃんに対し、葵君は冷めた態度で鋭い言葉を向けた。



とりあえず誤解は解けたし、きぃ兄ちゃんも協力してくれるみたいだから


もしかしたら婚約を解消してくれるかも…



なんて悠長に思っていた


その時━…



「真智ちゃーん!遊びに来たよ!」


「蘭さん!?」



隣町にある有名なお菓子店の袋を片手に蘭さんが現れた。



葵君ってば、また嫌な顔してる。


そんな顔してたらまた蘭さんに怒られるのに…



そう思いながら、蘭さんに怒られる前に葵君を宥めようとした。



━バサッ…


「蘭さん?」



お菓子店の袋が床へ落ちたが蘭さんは気づいてなく、私が声を掛けても無反応…。


しかし何かを見て大きく目を見開いて驚いている様子だった。




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