Sweet Heart
 


ヒーローマン(偽)の言う通り。もう、抵抗しても意味ないよね。



「良いよ。今度こそ本当にわかったから。」


「ありがとう!真智~!」



堪忍した私は、もう抵抗することを止めて、渋々認めることにした。


そんな私にお父さんは嬉しそうに抱きつく。



「では改めまして、今日から許嫁になったのでお互い自己紹介をしましょう!」 


五十嵐さんはそう言うと、私とヒーローマン(偽)を向かい合わせにさせた。



初めてヒーローマン(偽)のことをちゃんと見る私。



猫っ毛な黒髪で、前髪には茶色のメッシュが入っている。


そして目つきは悪いけど、瞳は凄く綺麗に澄んでいて、全体的に容姿も整っていた。



ヒーローマン(偽)ってこんなに格好良かったんだ…。



「…五十嵐葵。高2。」


「榎本真智です!!私も高2だから仲良くしようね!!」



ヒーローマン(偽)…いや、五十嵐葵(イガラシアオイ)君は私の前に手を差し出した。



「よろしく!」



私は葵君の差し出した手を握り、握手をする。



初めて会った時は、怖い人だと思ったけど


良い人みたいだね。



葵君の手から優しい温もりを感じ、私は安心した。




「2人共仲良くなれそうだし!良かったよ!」


「明後日から同棲しても大丈夫そうだな!」


「「同棲━!?」」



こうして私と葵君の運命は大きく変わっていった━…





< 26 / 179 >

この作品をシェア

pagetop