Sweet Heart
 


「武蔵の野郎…空手部に入らないかってしつこく勧誘してきやがって…、

ずっと逃げ回ってたっつぅーの。」


「それは大変だったね。お疲れ様!」



私は葵君に笑顔でそう言うと、冷たいお茶を差し出した。


葵君も"ありがとう"と呟いてお茶を受け取る。



初めは葵君と会話するだけでも少し緊張していたのに


今では何の緊張をすることもなく気軽に話せる。



これも葵君と仲良くなれた証拠かな?



ちなみに葵君は、武蔵と柔道をして勝ってから武蔵をはじめとする運動部(主に格闘部)の人達から勧誘を受けてばかりいる。


葵君自身はどの部活にも所属するつもりはないらしく、毎日運動部の人達から逃げ回っていた。



せっかく才能があるのにもったいないな~!


でも運動部に入らないつもりなら、私が所属している家庭科部に入ってくれないかな…。



葵君が料理を作ってる姿が想像できないけど!




そんなこんなで今日も平和な日を迎えられる…


かと思いきや…



━ピロリロ~



嵐の訪れはこの1本の電話から始まった…。




< 97 / 179 >

この作品をシェア

pagetop