不器用上司のアメとムチ

あなたが、欲しいんです――――。

ほとんどちゃんとした言葉にはなっていなかったと思う。

だけど彼の耳はあたしの声をちゃんとキャッチしてくれたみたいで、それに応えるように熱いキスをくれた。


もう何も、疑いも不安もない。あたしはこの人を信じて、すべてをさらけ出すだけ……


「……行くぞ」


ぐぐ、と腰が押し進められた瞬間、あたしの背中が浮き、大きな声が漏れてしまった。

嬉しくて、幸せで、そして例えようのない気持ちよさに、全身を麻痺させられて……


「……お前、まさかもう……」

「……その、まさか、みたいです……」

「今からそんなんで、耐えられんのかよ……」

「あの……できればゆっくり」

「――無理」


その言葉通り、すでに一度達したあたしを、久我さんは激しい行為でさらなる高みに連れて行く。

繋がったままベッドの上を転がり、色んな格好であたしを攻めたて、最後は後ろからと決めたようだ


次第に息が荒くなってきて、時折我慢できなくなったように漏れた低く艶っぽい声があたしの背中に落ちる。


「小梅……っ」


そんなに甘い声で呼ばれたら、あたしだってもう我慢できない……


「……………っ!!」


快感の海に溺れて、それでも見失わない愛情が確かにあって、それに包まれながら気を失うのはとても安らかな気持ちだった。

久我さん、大好き……ううん、愛してます……

あたしは震える声でそう呟いてから、意識を手放した。


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