おいでよ、嘘つきさん。

二人

真っ赤な髪、光に当たると更に真っ赤になる髪をしている女の子がいました。

この町で、赤い髪をしているのは一人だけ。

真っ赤な髪の女の子は「ミモザ」と言います。

年は10才で豊かな感受性を持っており、絵を描く事が大好きです。
いつも、絵ばかり描いていました。

母親は、そんなミモザを馬鹿にします。「金にならない事ばかり」母親はミモザを鬱陶しく思っていました。ミモザの髪のせいで、離婚することになったからです。
父は黒髪、母は金髪。赤髪なんて、居なかったからです。

ミモザは、学校でも「赤い髪は馬鹿の印」と虐められています。

ミモザは、幼い頃からずっと嫌われてきました。
赤い髪が奇妙に見えたからです。
そのため、母親や同年代の子供達に虐められ続けていました。

しかし、ミモザは我慢できました。
なぜなら、親友がいたからです。
親友の名前はネリネ。
ネリネは、茶色の髪でミモザと同い年です。
二人は、いつも一緒でした。
ネリネとの出会いは5時年前。学校で酷く虐められ、丘で泣いていた時に声をかけてきてくれたのがネリネでした。
初めは、戸惑ったミモザでしたが優しいネリネに心を許しました。
ネリネは、親もいないし学校にも行っていません。
その日暮らしをしているそうです。
ミモザは、ネリネをこっそり家に住まわしてあげる事にしました。
母親は、忙しくしているのでミモザですら居ても居なくても気づかないのです。だから、ネリネを自分の部屋に住まわせる事は簡単でした。

ミモザが、学校で虐められるとネリネが慰めてくれます。
ミモザが、母親に殴られるとネリネは一緒に泣いてくれます。
ミモザが、新しい絵を描くとネリネは褒めてくれます。

ミモザにとっても、ネリネにとっても、お互いを必要としていたのです。
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