おいでよ、嘘つきさん。

二人

ミモザは正直に話しました。
「ネリネが居なくなるのは嫌。ずっと一緒にいて」

ネリネは少し悲しそうな表情で答えます。
「ずっと一緒だよ。ずっと…」

ミモザは叫びました。
「嫌!前みたいに一緒が良いの!本当の二人で一つは、嫌なの!」

ミモザは叫び終えると、また座り込み泣きはじめました。ネリネは困った表情です。
ミモザは泣きながら言います。
「こんな事になるなら、前のままが良かった」

この言葉に、ネリネは反応しました。
「ミモザ、それは違うよ。ミモザは成長したんだもん。前より、ずっと成長した」

ミモザは黙ったまま聞いています。ネリネは優しい声で言います。
「ミモザ、自信をもって。今のミモザなら乗り越えられるよ!乗り越えたら、ミモザは更に成長するんだよ。私は、そんなミモザが見たいの」

ミモザは涙を我慢し言いました。
「乗り越え方なんて分からない。ネリネは悲しくないの?」

ネリネは笑顔で答えました。
「寂しいし、悲しい。それに嫌だよ。でも、乗り越えないと駄目なことなんだよ。ミモザのためにも」

また、しばらくの沈黙が続きました。今度はネリネがミモザの言葉を待っています。ミモザは弱々しく言いました。
「もう、ネリネには会えないの?」

ネリネは首を横に振りました。
「二人で一つ。ずっと一緒だよ。ずっとミモザを見守るよ。乗り越えよう、二人で」

ミモザも小さく呟きました。
「乗り越えよう、二人で」

何度も、何度も呟きました。
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