おいでよ、嘘つきさん。
柔らかく動く体、魅力的な潤んだ大きな黒い瞳に見つめられ、愛を囁かれて心が動かない男性はいません。

「愛しているわ」


メリアは、艶っぽい声で囁き微笑むのです。


褐色の肌の煌めきは、メリアの自慢。

メリアの妖艶さが際立ちます。


メリアにとって恋とは、つまり仕事。

仕事とは、つまり金。


メリアにとって、恋は金であり金と同等に値する大切なものでした。


「恋は最高だわ。全ての夢が叶うもの」


メリアは、多くの男性との恋を楽しみ仕事をするのです。

仕事が終われば、恋も終わり。

一瞬にしてメリアの熱も冷めます。


「金にならないものに、恋なんかしないわ」


サッパリとしたものです。

後腐れもなく、男性とお別れをします。


男性が名残惜しそうにしても、メリアは微笑み優しい表情を見せながら消えていくのです。


メリアにとっての恋に永遠なんて言葉はありません。

それが、メリアの恋なのです。
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