おいでよ、嘘つきさん。

出会い

今日は聖なる夜、クリスマス。
雪がフワフワと舞い、白く町が染まっています。
どの家も、オレンジの明かりを漏らし雪を照らしています。
暖かい家の中、美味しいご馳走、綺麗な紙に包まれたプレゼント…、幸せな時間です。

ただ、そんな幸せな時間を過ごしている傍ら1人雪の中を歩いてる少年がいました。

トボトボ歩き、行く宛てもない少年。

でも、止まると凍えるから歩くのです。

気が付いたら、街中から離れた場所まで来てました。

辺りは静かで、明かりもありません。

「なんだか…、眠たい…」
少年は、体の力が抜け倒れてしまいました。

だんだん視界が暗くなっていきます。

「もう…、いいか…」

少年は諦めてしまいました。

シンシンと雪が降る、凍える夜。
暗く明かりもなく、冷たい雪の上。
お腹は空っぽで、もう何も見えなくなっています。
そんな、悲しい少年が1人雪の上に倒れています。

年は10才前後、綺麗な銀の髪と白い肌が雪と交じって消えてしまいそうです。

12月25日、少年の運命の日、導かれる日です。
< 23 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop