おいでよ、嘘つきさん。
プルメリアの表情は、急に厳しいものに変わり声まで太く低く、まるで男性の声のようになり怒鳴ります。


「早く、ママから離れろ!私の言う事が聞けないのか!?」


プルメリアは、母親の背中に回り込み空を睨んで怒鳴るのです。


その様子は、あまりにも奇妙で家族は誰も声が出せません。


「何!?ママを連れていくだと!?許さない!絶対に駄目だ!!早く、どこかへ行けーー!!!」


プルメリアの叫び。

家族は固まったまま、プルメリアを見ています。

プルメリアは顔を真っ赤にし、汗を流し叫び続けているのです。


「死神様だ!死神様だ!!死神様が、ママを連れていく!!」


プルメリアは叫んだ後、ふらっと体の力が抜け床に倒れてしまいました。


家族は唖然。

プルメリアは倒れたまま、動きません。


ハッとしたアスターが、プルメリアに近づきます。

「プルメリア!プルメリア!」

アスターはプルメリアを抱き上げ声をかけます。


プルメリアは、意識を失っているようでピクリとも動きません。

アスターは恐くなり、大声で叫びます。

「プルメリア!起きて!プルメリアーー!!」


すると、僅かにプルメリアの体が動きました。
アスターは、プルメリアを見つめます。


ゆっくりと、プルメリアは目をあけます。

その目には涙が溜まっていて、潤んでいます。

アスターは緊張しながら聞きます。

「プルメリア…だよね?」

プルメリアは、アスターを見て答えました。


「うん。プルメリアだよ…」


両親は顔面蒼白。

アスターだけが、プルメリアに笑顔を見せました。
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