おいでよ、嘘つきさん。
毎日、毎日、辛くて泣いていたプルメリアに、やっと幸運の女神が微笑みます。

アスターの意識が戻ったのです。


「アスター!!」


プルメリアはアスターに抱き着きます。


「良かったよ、本当に良かった…!」


プルメリアは感激の涙を流してアスターを抱きしめるのです。


アスターは、まだ意識が朦朧としているのか…。


「火が…、火が…」


と、繰り返しています。


プルメリアはアスターを安心させるため微笑み言います。


「アスター、大丈夫よ。アスターは私が守るからね?」


アスターは、酷い火傷を負っていました。

皮膚が引き攣れをおこし、可哀相な容姿になっています。

きっと、町の人々はアスターの姿を見たら恐れるでしょう。

しかし、プルメリアにはそんな事は関係ありません。

大好きで可愛らしい弟なのです。

プルメリアは頭の良い子です。アスターのこれからの人生を考えると胸が痛くなります。

しかし、そんな様子は全く見せずアスターを勇気づけるために笑顔で語りかけるのです。


「アスターは何も心配しなくて良いよ?私が、絶対に守ってあげるからね」


アスターは、朦朧としながらも。

「ありがとう、プルメリア」

と、答えました。


最初は、言葉も上手く喋れなかったアスターですが徐々に意識がハッキリとしてきます。

「なぁ、プルメリア。顔が引き攣って痛いんだ。鏡をとって」


プルメリアは緊張します。
アスターに鏡を渡すかどうか悩むのです。

正直な気持ちは、鏡を渡したくない。

アスターの顔は、以前とは全く違ったからです。

「ショックを受けるかも…」

プルメリアは考えます。
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