おいでよ、嘘つきさん。
しかし、アスターの体調は急激に衰えていくのです。

咳をして、食べる事も難しく、呼吸も苦しそう。

上手く喋れなくなっていくアスターを見て、プルメリアは苦しくなります。


しかも、医者は言うのです。


「残念ですが…。もう長くはないと思います。心の準備をしておいて下さい」


この言葉は、プルメリアの心に大きな傷を残します。
プルメリアは、カッとなり医者に言います。


「そんなはずない!だって、アスターには死神は見えないもん!!嘘つき、貴方は嘘つきよ!」

「死神?そんなモノは存在しないですよ。お嬢さんの気持ちも分かりますが、現実を見るべきです」

「現実は見てる!私は死神が見えるの!アスターには死神が現れてないわ。それは、つまりアスターは死ぬ運命じゃないということよ!でたらめ言わないで!」

「私は医者ですよ。でたらめなんか言わないです。まぁ、取り乱すのも分かりますが、気をしっかり持つべきです」

「違う!貴方は嘘つきよ!アスターは死なない!絶対に死なないわ!!」


あまりにも必死なプルメリアに医者は困り果てます。

父親は、他人のふり。


プルメリアの表情は険しく医者を呪うかのように睨みつけています。

医者も、そんなプルメリアに恐れを感じたのか「では、私はこれで…」と、そそくさと帰っていきました。

父親も、さっさと違う部屋に行ってしまいます。


一人残されたプルメリアは苛立ちが収まらず、家を飛び出しました。
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