狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「そ、そんなところにタバコ隠してるの?」
「さぁな」
さぁなって……。
入れたことすら覚えていないような狼谷君の態度にわずかな衝撃を受けていると、廊下からパタパタという足音が聞こえた。
その足音に気付いた時には、時すでに遅し。
「お前ら、こんなところで何してんだ。早く校庭に集まれ」
振り返ると、教室の扉の前には首に笛をかけた体育の先生が立っていた。
ま、マズイ。
全身の血の気が引くっていうのは、多分こういうこと。
あたしたちのすぐそばにはタバコの箱が落ちていて。
これを見られたら、きっと謹慎だ。